美しく健康に!漢方で体のバランスを整えて長生きしよう

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✅導入:

今回は漢方とはどんなものなのか、初めて知る人でも理解できる内容にまとめました。

✅この記事でわかること:

漢方について

・漢方とは

・漢方の歴史

・漢方の考え方

・漢方のメリットとデメリット

・まとめ

✅漢方について:

・漢方とは

 西洋医学的な検査などで「病名」を明らかにして行う治療と異なり、東洋医学的な漢方は病気に対する「体の反応」を見て診断・治療を行います。診断名は「証」で表され、一度に使われる薬は1種類か、多くても2~3種類までが原則です。

 西洋薬は主に科学的に合成されたもので、その多くが単一成分でできています。一方、漢方薬は、薬効のある植物や動物、鉱物などから作られた生薬(しょうやく)を組み合わせて使われます。生薬は200種類以上ありますが、その多くが植物に由来したものです。1つの漢方薬は、基本的に2種類以上の生薬で構成され、剤形には煎じ薬(せんじぐすり)とエキス剤の2種類があります。生薬を細かく刻み、一定の割合で混ぜて煎じ、液体をのむのが煎じ薬、その液体を濃縮・乾燥させ、顆粒状などにしたものがエキス剤です。

・漢方の歴史

 漢方は、治療に対する人間のからだの反応を土台に体系化した医学といえます。古代中国に発するこの経験医学が日本に導入されたのは5~6世紀頃。日本の風土・気候や日本人の体質にあわせて独自の発展を遂げ、わが国の伝統医学となりました。

 17世紀頃、特に大きく発展して体系化され、現在へと継承されています。漢方という名称の由来は、日本へ伝来した西洋医学である「蘭方」と区別するためにつけられたものであり、もちろん、中国の伝統的な医学である「中医学」とも異なります。まさに漢方は、日本独自の医学なのです。

・漢方の考え方

 漢方では、「証」という独自の「ものさし」で処方する薬を判断します。

 証というのはその人の心身の状態を表す、漢方の考え方でもっとも重要なものです。

 証は「虚実(きょじつ)」「気・血・水(き・けつ・すい)」といったさまざまなものさしで判断されます。こういったものさしを使い、個々の体質や病気の状況を判断した上で適切な漢方薬が処方されるのです。

漢方の考え方1:「虚実」とは?

 証の判断の1つである虚実というのは、「虚証」「実証」のことをいいます。

 虚証はどちらかといえば体力がなく弱々しい人のこと。体が華奢で、冷え性や胃腸虚弱、低血圧や下痢などに悩まされている状態が続いているような場合は虚証に分類されます。

実証というのはこの逆で、気力や体力が過剰な状態のことです。

 暑がりで高血圧、脈が早く汗をかきやすいといった症状をもつ方が実証に分類されます。実証は一見元気のある状態に見えますが、体が実証に傾きすぎると糖尿病や心筋梗塞といった重篤な病につながる可能性も考えられます。

 虚証と実証の中間の、体力が中程度の健康状態のことを「中庸」と呼びます。

漢方の考え方2:「気・血・水」とは?

 不調の原因を探る「気・血・水」も、漢方の考え方の1つです。

 「気」というのは目に見えない生命エネルギーのことです。気のめぐりが悪くなると心身のバランスが崩れ、体調も悪くなってしまいます。

 「血」というのは、全身をめぐって体に栄養を運んでくれる血液のことを主に指します。血が多ければ攻撃的になりがちですし、血が少なければ肌ツヤが悪くなったり虚弱体質になったりすることもあるものです。

 「水」というのは体液や分泌液など血液以外の無色の液体のことで、体を潤す働きをもちます。水のバランスが崩れるとむくみや下痢、排尿異常などが引き起こされます。

 漢方では、人間の体内には気血水の3つの要素がバランス良く巡っているという考え方をするのが一般的です。不調や病は、気血水のどれかが不足したり滞ったりすることによって起きると考えられます。東洋医学では「証」と「虚実」、「気・血・水」のものさしで適切な漢方薬を判断していきます。ご紹介した選び方を参考に、自身に最も合う漢方薬を選んでみてくださいね。

 専門学校では、薬や東洋医学に関する知識をより深く学ぶことができます。「東洋医学に興味がある」「薬の販売をする仕事に就きたい」という思いをもつ方は、ぜひ専門分野を集中的に学べる専門学校への進学を検討してみてください。

・漢方のメリット、デメリット

 漢方医学は、西洋医学では対応しにくい冷え性など体質による症状や、更年期障害など検査値に現れない不調、病名がつかない「未病」の段階にも効果が期待できます。

  未病とは、肩こり、ニキビ、便秘、不眠、冷えなど身体が何らかのサインを出している状態のこと。つまり、漢方薬のメリットは、より早期の段階で治療が始められるというところにあると言えます。

 対して、デメリットは、効き目に個人差があり、西洋医学なら見える血圧など数値の改善や殺菌効果など、目に見えて評価することが難しい点にあります。

 また、漢方薬の薬効は、各生薬がもつ薬効の足し算ではなく、構成生薬の組合せによって得られます。そのため、組合せによっては薬効が強くなったり、逆に弱くなったりする場合もあるのです。

 医療現場では、「漢方薬と西洋薬を併用すると治療に有効だった」という例も数多く報告されています。決して、どちらが良いということではなく、治療の幅を広げる選択肢として捉えると良いでしょう。

・まとめ

 いかがでしたか?漢方の歴史や西洋薬との違い、漢方の考え方などをご紹介してきましたが、漢方についての“?”が少しでも解消できたでしょうか。

 漢方では、症状ひとつだけを見るのではなく、体全体、その人そのものを見ます。また、体と心はつながっているという考え方から、心のはたらきもその人の一部として考えます。このことから、一見関係のないように見える複数の症状に、1つの漢方薬で対処できることもあります。なんとなく、あちこちがしっくりしないというとき、漢方を試してみませんか?

✅参考資料

漢方とは 

漢方の歴史 

漢方の考え方 

漢方のメリットデメリット